森の息吹

¥88,000 税込

説明

この作品はもともとオランウータンを描いていた。オランウータンが自分の住んでいる森がなくなっていくのを憂いて「助けて」と訴えているように感じてオランウータンを描いた。作品の上に実際の森の葉を貼った作品でした。その葉っぱの意味は、最後の一枚の落ち葉がひらひらと落ちていく、というような印象で貼った。森が消える前に。

ただ、そこで強く感じたのは「完成していない」と感じた。そして、その上から上書きして絵を描きはじめました。上書きしてオランウータンは見えなくなりました。そして最後の一枚の葉っぱを取り外そうとしたが外れなかった。なので一部が削れた葉っぱをそのまま作品に残しています。そして、そこから新たな絵を描いた。

そんな制作ストーリー。

森が失われていく哀しみを表しながらも、その中から新しい何かが生まれる可能性を含んでいる「消失と生誕」を描いた作品。

最後の一葉がしがみつくように作品に残ったことで、自然のしぶとさや、消えない生命力がここある。そしてここから生まれるんだ。という強い生命力を描きました。

消失の中にも再生があるという自然の力強さを象徴しており、失われるものへの哀悼と、そこから生まれる希望の物語です。